愛媛伊予柑篇

第1回 甘くてジューシー。伊予柑のおいしさを発見!

甘さと酸味のバランスが絶妙な、愛媛柑橘の代表格

国内の生産量の約9割を占め、愛媛を代表する柑橘として親しまれている伊予柑。
厚みのある外皮をむいた瞬間、甘酸っぱい爽やかな香りがフワッ。
瑞々しい大粒の果肉の中には、甘酸っぱい果汁がたっぷり!
第1回は、ジューシーでビタミン豊富な伊予柑のルーツと、おいしさの秘密に迫ります。

瀬戸内の豊かな自然によって育まれた、瑞々しい果実

ひとりの栽培家が出会った
“奇跡のひと枝”。偶然の発見
から生まれた「宮内伊予柑」

現在、栽培されている伊予柑の多くは「宮内伊予柑」と呼ばれる品種で、そのシェアは全体の約9割にものぼります。「宮内伊予柑」のはじまりは1955年。松山市平田町で柑橘栽培を行っていた宮内義正さんが突然変異による枝変わりに気づき、育てたのがきっかけ。その後、従来の伊予柑に比べてひと回りも大きく、果肉がやわらかくて甘い。さらに、たくさん収穫できて熟すのも早いと、生産者にとっていいこと尽くしの品種であることが判明! 通常、新しい品種開発には15年以上もの長い時間が必要なことを考えると、この偶然の出会いはまさに“奇跡”といえるのかもしれません。

平成27年で生誕60周年を迎え、
生産もますます盛んに。

1966年に「宮内伊予柑」として種苗登録されると、その育てやすさと品質の良さから栽培面積が一気に拡大。今では松山地方の特産として全国で愛される柑橘へと成長した「宮内伊予柑」。平成27年に、生誕60周年を迎え、還暦を祝う様々なイベントも行われたそうです。

香りよし、味よし。
加工してもおいしい!

伊予柑の魅力についてJAえひめ中央の職員さんたちに話を伺うと「やっぱり薄皮から滴るほどの果汁やね」「プリッと弾むような大粒の果肉が食べごたえ十分」など、伊予柑愛好者らしいさまざまな意見が。そのまま食べるのがおいしいのはもちろんですが、最近はジュースやゼリーなど、加工品としても人気が高いそう。また、肉厚でほろ苦い外皮は乾燥させて伊予柑ピールにしてもおいしいとか。色鮮やかで、香りよし、味よしの「宮内伊予柑」は、まさに“捨てるところナシ”の万能フルーツなんですね!

伊予柑を知り尽くした生産者宮内一郎さんにインタビュー

次に伺ったのは、「宮内伊予柑」発祥の地・平田で長年柑橘農園を営む宮内一郎さん。取材で訪れた12月は、まさに収穫のピーク!
たわわに実るオレンジ色の果実を眺めつつ、伊予柑栽培についての思いを伺いました。

新しい品種の栽培にも取り組む、
チャレンジ精神溢れる生産者

亡くなられたお父様の跡を継ぎ、柑橘栽培の道へと進んだ宮内さん。「僕は工学部出身で農業は未知の分野。手と体を動かすことで少しずつノウハウや技術を身につけていきました」と話します。生産者となってからは、園にいち早くスプリンクラーを導入するなど、新しい栽培方法にも積極的にチャレンジ。この10年で育てる柑橘品種もどんどん増え、現在は約3ヘクタールの畑に「宮内伊予柑」をはじめ、「紅まどんな」「甘平」「カラマンダリン」など、11種もの柑橘を栽培しています。

時間も手間もたっぷりと。
慈しむように育てた伊予柑は
極上のおいしさに

畑に足を踏み入れると、その勾配のキツさにびっくり! 「日光がたっぷりと当たる海側に面していて、水はけの良い傾斜地が柑橘の栽培に最適なんです」と宮内さん。とはいえ、環境を整えても気候などによって成長や味に微妙な変化が出るのが、自然を相手にしたものづくりの難しさ。「どんな仕上がりになるか予測がつかないところが、難しくもあり、面白いところ。毎年新人のような気分で栽培しています」

最後に「伊予柑づくりの醍醐味は?」と尋ねると「無事に市場へ送り出したときですねぇ」とにっこり。日々変わる環境のなか、品質の高い伊予柑を育て続けるのは、至難の技。さらに伊予柑は収穫後の貯蔵期間で色や味わいに差が出るため、収穫したあとも気が抜けないそう。「なので貯蔵を終え、紅が濃くなった伊予柑を出荷できた時の喜びは格別なんですよ」と教えてくれました。

甘くて瑞々しい伊予柑ができるまで。

植えつけ

気温が暖かくなりはじめる3月〜4月上旬に、日当たりと水はけがよい場所に植えつけます。

摘果

大きすぎたり小さすぎたりする実や病気、虫食いの実を摘み取る、おいしい柑橘を作るために欠かせない作業です。

整枝・剪定

混み合った部分の枝や葉っぱを間引き、木全体に日が当たるように整えます。
果実になるのに3〜4年かかります。

収穫

12月が収穫のベストタイミング。収穫後は貯蔵庫で一定期間熟成させます。

土の柔らかさも重要なポイント!

日当たりと水はけの良さに加えて、重要なのが土質。宮内さんの畑の土は足が沈んでしまうほど、柔らかく、ふかふか。これは木の根を伸びやすくし、スムーズに成長させるためなのだそう。写真は、植え付けから3年ほど経った子どもの伊予柑の木。鉛筆ほどの太さだったという苗木も、ここまで大きく成長しました。

酸味と甘味の絶妙なバランスを生み出す2つの秘訣

大きさによって
甘さと酸味が変化

宮内伊予柑は、小さいほど酸味が強く、大きくなるにつれて甘味とのバランスが整っていくそう。ごろんと大きく実った「宮内伊予柑」は、美味しさの証でもあるんです。

貯蔵庫での熟成

収穫された「宮内伊予柑」は、すぐに出荷せず一定の温度(約10〜12℃)を保った専用の貯蔵庫に運ばれます。貯蔵期間は伊予柑のサイズに合わせて約1〜3ヶ月ほど。じっくりと寝かせることで、甘さと赤みが増し、見た目も味もさらに良くなるそう。

“栽培と貯蔵”のバランスが
おいしさのキーワード

「愛媛の伊予柑づくりには“木の上半分・倉庫で半分”という言葉があるんですよ」と宮内さん。丹念に育て、収穫したあとは専用の貯蔵庫でじっくりと熟成。長年受け継がれてきた技術とたくさんの手間が、独自のおいしさへと繋がるんですね。

ご協力頂いた皆様 ・JAえひめ中央 宮内一郎様 ・作道建記様 宮内章博様

とれたて通信専属レポーター

手間ひまかけて育てられた伊予柑のおいしさは格別!
爽やかな香りにも癒やされます。

口の中いっぱいに広がるジューシィな果汁が病みつきに。
伊予柑を使ったスイーツやジュースも気になります。

取材 / 下川あづ紗(しもかわ・あづさ)フリーの編集&ライター。ライフスタイル誌、WEBマガジン、広告などの編集ディレクション、ライティングを行う。夫と大の柑橘好きの息子、犬の3人と1匹暮らし。

  • 第1回 甘くてジューシー。伊予柑のおいしさを発見!
  • 第2回 実りの季節をみんなでお祝い!柑橘を愛する人が集まる場所へ。
  • 第3回 柑橘王国・愛媛で発見!おいしくって、かわいい伊予柑を巡る旅

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