たわわになる美しい宝石のような信州巨峰。
色付きも良く甘いその1粒1粒が出来上がるには信州ならではの気候、そして自然が欠かせません。
甘みを作り出すのに大事なことの1つ。
それは朝晩の寒暖差。夏でも朝晩は涼しく、そして昼間はぐっと気温が上がる、
そんな信州の特別な気温の「ツンデレ」が信州巨峰の濃厚な甘みをつくってくれるんです。
一房にたくさんの粒のある巨峰。1粒1粒みんなで分けて食べる、まさにシェアハピなフルーツ。
今回はそんな信州巨峰の生産農家さんを訪れてみました。そこで出会ったのは大きな巨峰愛を持ったちょっと照れ屋なお父さん。もう50年以上巨峰を育てています。
一房一房、しっかり色がつき、甘みが出て、そして形も美しく整ってこそ質の良い信州巨峰。その手でずーっと世話をしながら、最適な出荷タイミングは実の色で判断するのだそう。
おとうさんの畑がある長野県高山村。ここの土は火山灰や石が多いことで水ハケが良く、栽培に適した環境です。「おとうさんのシェアハピの瞬間はどんなとき?」と聞いてみると・・・「まぁずーっと長年やってる仕事だからなぁ」なんて照れながらも「やっぱりみんなが食べて“美味しい!”って言ってくれる瞬間だな」と笑顔で教えてくれました。寒暖差の激しいツンデレ気候と、ツンデレだけど大きい大きいおとうさんの愛こそが信州巨峰の甘さを作っているのでした。
雪深い中で作業が始まります。ぶどうがなる位置などを想像しながら、木の形を整えていきます。雪で足元がとられるため、畑の中を移動するのも一苦労です。
ぶどうの形を決める重要な工程1つ目です。花が咲く頃に花蕾を切り、房の先の部分を数センチ残して、大まかな房形を作ります。
この時期に房1つ1つに袋をかけ、日焼けや鳥などからぶどうを守ります。
生育のよい芽だけを残します。健康で最適な成長を促し開花や結実に向けて細かい生育管理をするのです。
粒がふくらみ始めた段階で不要な粒を切り落とす作業です。房の形をより美しく粒揃いの良い房に育つように調整。長年の経験が頼りです!
収穫は早朝に行います。色、食味を見ながら一房ずつ丁寧に収穫していきます。収穫した巨峰はその日のうちに一房ずつ検品・包装して出荷します。
巨峰の深い深い紫、時には黒っぽく見えるほどの濃い色は美味しく甘い巨峰の証拠であり、その色を見るだけで何だか口の中に味が広がる気さえします。
そんな巨峰にとって大切な“色”。この色、実は葉っぱからきていると知っていましたか?一粒に対して一枚の葉が必要なんだそうです。
葉っぱがなければあの葡萄色は生まれないわけです。
ちょっぴり予想外の縁の下の力落ち、その存在も信州巨峰の“特別”を作っているのですね。
生産農家さんを訪れた時期は摘粒作業シーズン。
一年中忙しい農家さんですが特にこの摘粒作業から袋掛け作業の時期は
一房ずつ手作業。まさに大忙しのピークの時期です。4000から5000の房が育っているというおとうさんの今年の葡萄畑。
取材中ももちろん手元の作業は止めません。そんな摘粒作業を見学させてもらいました。
不要な小さな粒はまず手でポロポロと取り除くおとうさん。そして鋏を手に持つと、長年の経験で粒がつまり過ぎている部分や成長すると房の形を乱しそうな粒を素早く見つけ出し他の粒を傷つけないよう根元からカットしていきます。素早く見つけ、優しく作業。その繰り返しはさすが、この道50年以上のベテラン!
頭上を縦横無尽に広がる巨峰の木。
一本の木の枝に約600の巨峰がなると言われています。
たくさんの木の枝葉が連なって見えるその景色は圧巻でした。
「何十年もやってる仕事だからなぁ」と言いながらもいろいろな信州巨峰のことを教えてくれたおとうさん。「やっぱり旨いって言ってくれた瞬間は嬉しいよね」と語る笑顔は誇らしげで本当に素敵。1つ1つの丁寧な作業と信州巨峰を誇りに思う気持ちがシェアハピできる甘く美しい一房を作り出すのだと実感したのです。
長野の自然に抱かれた信州巨峰畑。
おとうさんの人柄に触れ本当にお手伝いをしに来たくなりました。